iNPHという病気〜治療できる歩行障害・認知症・尿失禁があります〜 iNPHとは? 概要と背景

2012年現在462万人の認知症の患者さんが…

認知症患者構成割合推計グラフ画像 2012年現在、462万人の認知症の患者さんがいます(厚労省研究班2013)。軽度認知症(MCI)の患者さんも約400万人と推計されています。介護の負担も非常に大きくなることから社会的な課題にもなっています。今後、様々な医学の進歩や社会的な取り組みも進むことで、これらの患者の症状が改善し、介護の負担も軽減されるものと期待されます。

治療できる認知症があります

認知症イメージ画像iNPHは「治療により改善する認知症」として知られています。iNPHが疑われる患者は現在30万人以上いることがわかっています。これはパーキンソン病の約2倍にあたります。アルツハイマー病からすると少ない割合ですが、決して無視できる患者数ではありません。
ただし残念なことに、iNPHという病気は今まであまり注目されていませんでした。そして、診断・治療されないままになっていることが多いのです。
しかし、iNPHの治療は、わが国のように高齢化が急速に進む社会にあっては、本人の自立を高め、介護の軽減をはかるのに役立つと考えられています。

iNPHの主な症状は歩行障害・認知症・尿失禁で、三徴候と呼ばれています。これらの症状の改善が得られて本人の自立が高まれば、介護の負担も軽減され、患者およびご家族のQOL(クォリティー・オブ・ライフ:生活の質)の向上を可能とします。なかには、劇的に症状が改善するケースもあります。

格段の進歩をとげた診断技術と医療用具

最近の脳神経外科医・神経内科医等の研究によってiNPH病態の解明がかなり進んできました。日本では2004年5月に「特発性正常圧水頭症診療ガイドライン」が諸外国に先駆けて発行、2011年に改版が発行、さらに安全な診療が追求されています。今日では診断技術や専門医療用具も格段の進歩をとげています。精度の高い診断による外科的治療(髄液シャント手術)によって、非常に高い割合で症状の改善が得られるようになってきました。今やiNPHの診断と治療は様々な医学的活動を通して、欧米をはじめ日本においても活発になってきています。

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