iNPHという病気〜治療できる歩行障害・認知症・尿失禁があります〜 患者と家族の体験談 レオナルドさんの場合
  • レオナルド アブラムスさん(Leonard Abrams)

    どんな治療で特発性正常圧水頭症に打ち勝ったのか。
    現在も快方に向かっていて、歩行にも問題がありません。素晴らしい感じです。

1分間自分の両腕を自制できなくなった最悪の晩

イメージ画像私が実際に症状に気づいたのは1997年6月でした。数年、自分の記憶が定かでなく、この頃さらに悪化し始めました。その上、歩行能力はますます落ちて、ベッドから起き上がることができないという問題もありました。数回転倒したこともありました。膀胱の機能にも問題を抱えていました。ある晩最悪のことが起こりました。その時1分間も両腕が自制できなくなり動揺したのです。妻が押さえつけてやっと腕の動揺を止めたのでした。

シャントシステムを埋め込んで1か月も経たずに結果が出始めた

私はロサンジェルスのカリフォルニア大学・成人水頭症センターに1997年12月に行き、多少の改善を得ました。どうにかしなければと感じたのはその後2年経ってからでした。記憶が衰え、歩行も困難に、さらに排尿障害が悪化し、遂に失禁するようになりました。そのため、主治医であるカリフォルニア州タルザナの開業医、ポールソゴル(Paul Sogol)先生を訪ねると、アルバートフック(Albert Fuch)博士を紹介され、その後、UCLAで治療するための紹介状をもらいました。
そのようにして、1999年12月にカリフォルニア大学(UCLA)に入院し、圧可変式バルブシャントシステムを埋込みました。それ以来、快方に向かい、1カ月も経たずに結果がではじめて、引き続き改善しています。現在も快方に向かっていて、歩行にも問題がありません。素晴らしい感じです。

  • マービン ベルグセーダーによる診療記録

    私(:マービン ベルグセーダー先生のこと)が最初にUCLAの水頭症センターでレオナルド アブラムス氏(:本症例の患者)に会ったのは1997年12月であった。
    アブラムス氏の状態は画像と症状が水頭症と一致していた。アブラムス氏ご自身は様子をみて、病状が進行しているかどうか観察したいと考えていたが、結局は進行していた。
    アブラムス氏が言うには一時よくなったということだったが、1999年11月主治医がUCLAに再び紹介してきた。詳細な神経学的検査とCTスキャンを行った結果、アブラムス氏は歩行、膀胱の症状、さらに認知障害の3つの機能すべてに進行性退行を認めた。さらに、CTとMRIの検査も特発性正常圧水頭症と一致した。
    その後、アブラムス氏と奥様をまじえ、診断と治療プランについて詳細に検討した。術前に頭蓋内圧モニタリングを行うと、頭蓋内圧がわずかに高く、髄液排出抵抗も高くなっていた。アブラムス氏は1999年12月9日に入院し、その夜、頭部のCTスキャンで脳溝が縮小し、側脳室と第3脳室の拡大が認められて、正常圧水頭症の症状とすべて一致した。
    圧可変式バルブによる髄液シャント術施行と同時に頭蓋内圧モニターを留置し、バルブ圧設定を最適化した。患者のアブラムス氏は当初は理学療法で徐々に改善し、1999年12月15日に退院した。
    現在、アブラムス氏はほぼ完全に自立して生活できるようになった。一人でスコットデール(アリゾナ州)のアメリカ水頭症協会総会にも飛行機で出かけ、帰路、空港で家族に迎えられるまでに改善した。アブラムス氏は見事に回復した。

    ※(Marvin Bergseider)MD.米国カリフォルニア大学(UCLA)、成人水頭症センター神経外科、脳神経外科医、助教授

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