「しっかり歩けるようになり、以前よりずっと明るい気分になりました。音楽を楽しみ、ベランダを緑でいっぱいにし、お香を焚いて本を読んだり、趣味の人形制作をしたり、家族と一緒にハイキングに行ったり、孫や友達とショッピングやコンサート、美術館に出かけたり、毎日を丁寧に過ごすようになりました。」
最近は、東北へ1週間、一人旅をされたというから驚きだ。
「手術前は絶対に一人旅なんて心配で止めていたと思うのですが、本当に元気になりましたので。」
そう話す旦那さんは、元気になった清井さんの姿を見て、安心して送り出したそうだ。
「こんなに歩けるようになるなんて想像していなかったです。おしゃれを楽しめるように半年間で10キロ減量もしたんですよ。充実した毎日を送れるようになり、完璧な手術をしてくださった宮﨑先生に感謝しています。私は80歳の今が、生きてきた中で一番幸せです。」
元気になり、気持ちに余裕ができて人に優しくなったという清井さん。“今が一番幸せ”という気持ちは、今後毎日、更新され続けることだろう。
大阪回生病院
宮﨑 晃一先生より
清井さんは、ご本人の感覚では歩きにくさを感じていたようですが、TUGは13秒と目立って悪いわけでもなく、脳画像でも脳室の拡大・シルビウス裂の開き具合がごくわずかだったため、iNPHだと判断しづらい状態でした。しかし、初診の時はほとんどお話をされない状態だったのが、タップテスト後に見違えるほどに元気になってお話ができるようになり、TUGも9秒に改善されたため、手術を勧めました。数十年、双極性障害と向き合っていたようですが、恐らくiNPHが加わったことで、やる気が出なくなったり、思考力が衰えてさらに悪化していたところ、手術でiNPHの症状が取り除かれて元気になられたのだと思います。
旦那さんも諦めかけていた時に、手術をして昔のような元気な奥さんに戻ったとおっしゃっていて、大変喜んでいらっしゃいました。一人旅ができるくらいまでに回復されたことを聞いて、私も嬉しいです。