iNPHという病気〜治療できる歩行障害・認知症・尿失禁があります〜 治療について 圧可変式バルブシャントシステムと特発性正常圧水頭症の話

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技術の進歩

イメージ画像特発性正常圧水頭症(以下、iNPH)の治療は近年、大変進歩しました。

その昔、まだ圧可変式バルブが存在しないころにiNPHの治療が世界的に盛んになったことがありました。バルブ圧の固定されたタイプのシャントシステムが使われたわけです。当時、<治すことのできる認知症>として髄液シャント術は脚光を浴びました。

ところが、実際には、症状の改善する確率が高くなかったここと同時に合併症を回避することが難しかったのです。iNPHの治療は困難を極める結果となりました。1990年前後に圧可変式バルブが開発されたおかげで、水頭症の治療スタイルが変わり、iNPHの病態の解明が進むとともにその治療概念も再考されました。

現在、iNPHの治療においては、微調節できるタイプの圧可変式バルブが必須であるといわれています。それは、iNPHの患者さんのようなご高齢者は加齢のために脳が比較的に硬くなっており、加えて、iNPHの病態自体が正常な頭蓋内圧の範囲にあるために患者さんの症状の良くなるためのバルブ圧が非常に狭いレンジにある場合が多いからです。

また、バルブ圧が低すぎると髄液の過剰排除が起こって種々の合併症を引き起こすことがあります。逆に、バルブ圧が高すぎると髄液の排出が足りなくなり、症状の改善が得られません。このような理由から微調整できるタイプの圧可変式バルブシャントシステムがiNPHの治療において有効であるといわれています。診察ガイドラインでは、合併症を避けるために微調整できるタイプの圧可変式バルブによって徐々に患者様の適正な圧に調節していくように勧めています。

圧可変式バルブは、髄液シャント術後においても患者さんの症状・状態に合わせて手術を行わずに無痛的に設定圧の変更をすることができます。まず、専用の圧設定用プログラム装置を使用して埋め込み手術の前に初期圧を選択して設定します。埋め込み手術後においても患者の症状改善のために再手術なしに何度でも圧設定を行うことができます。圧の調整はすべて非侵襲的にわずか数秒で終わり、診察室において患者さんはほとんど不快感を持つことなく直ぐに調整できます。

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