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ドクターズボイス

iNPHの患者さんが治療を受けて症状が改善し、その方らしい暮らしを手に入れることができることを願っています。

鮫島 直之先生国家公務員共済組合連合会
東京共済病院
脳神経外科部長

国家公務員共済組合連合会 東京共済病院 脳神経外科部長 鮫島 直之 先生

ご紹介文

東京共済病院-iNPHの手術件数が全国でトップクラスを誇り、手術の際に患者さんへのダメージを出来る限り低減した手術“LPシャント”を開発した病院でもある。2016年、同院の正常圧水頭症センターの立ち上げ時に副センター長として携わり、1,000名以上の患者さんを診療してきた鮫島先生にお話をうかがった。

iNPHの治療に携わって何年目でしょうか?

「私が本格的に治療を始めたのは2009年からです。iNPHをサブスペシャリティーとして志したのは、LPシャントの開発と『診療ガイドライン第一版』の発刊(2004年)に尽力された先輩医師の姿と、実際に治療で良くなっていく患者を目の前にして感銘を受けたからです。」
iNPHの診療を始めて14年が経過した現在、“シャント術”の治療数だけで1,000例を優に超えたという。
「私の患者さんのおよそ7割がLPシャントです。iNPHの治療を始めた時から、LPシャントをより合併性が少なく、安全な治療法として標準術式を確立したいという思いで取り組んできました。2015年に国内の多くの病院でLPシャントの有用性を示す共同試験の結果を発表したことで、ニーズが高まりました。」
それまでVPシャントが主流だったが、2015年、全国20施設と共同で行われた臨床試験により、iNPHに対するLPシャント術の有用性が世界で初めて証明され、その結果がLancet Neurology誌で発表された。
「LPシャントは腰からお腹にカテーテルを通すので、頭を穿刺しません。そのため安全で確実性の高い治療法だと考えています。私は適用可能な患者さんにはLPシャントを第一選択にしています。」

iNPHの治療に携わって、
印象に残っていることは?

多くのiNPH患者さんに携わってきた先生に、印象に残っていることをうかがった。
「転倒を繰り返し、歩きにくくなっていた方が手術後にゴルフができるようになったり、海外旅行に行けるようになった方もいらっしゃいます。中には車イスで生活し、ぼーっとして、歩行障害も認知症もご家族も諦めていたほど進行していたのに、治療してスタスタ歩けるくらいまで改善した方もいます。」
先生はミラクルを起こすのではなく、その方の病態にあった回復を目指すことが大事だと話す。
「シャント術をすると、歩行障害、頻尿、認知症がとても良くなる方は多いです。しかし、iNPHの患者さんは、症状の進行具合、年齢も様々で、改善度合いも人によって異なります。例えば、アルツハイマー型認知症を併存している方が手術をしても、iNPHの症状は良くなっても、アルツハイマーによる認知症は治るわけではありません。ですが、治療によって改善できる部分をきちんとご説明し治療すると、iNPHによる症状が改善して非常に喜ばれます。その方にとっての改善できるであろう症状をしっかりご説明して治療しています。」

手術後、症状が悪くなってきた場合は
どうすれば良い?

患者さんによって様々なのは手術後も同じだ。一旦良くなっても、時間の経過とともに、認知機能が落ちてくる方もいる。そういった場合はどうすれば良いか尋ねた。
「いくつかの可能性が考えられます。まずは“シャント不全”です。シャントがその方にとって適正に働かないことを言いますが、シャントが詰まったり、切れたりした場合はシャントシステムを再建する必要があります。一方で、患者さん側に問題がある場合もあります。体重が増えた、便秘がち、臥床がちで活動量が落ちている場合などです。そうなると髄液の流れが悪くなるため、圧設定を変える必要があります。そしてもう一つは、“併存疾患”が出ていないか。例えば、アルツハイマー型認知症を合併してきていないか調べます。フレイル(虚弱)、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)なども年齢を重ねるごとに増えてきますので、多方面からアプローチし、一旦良くなった症状がまた悪くなったのはなぜか?シャント専門の施設で調べることが大事です。」
いくつかの原因が考えられるため、気になった場合は一度、主治医に相談すると良いだろう。

iNPHの啓発活動にも積極的な理由は?

鮫島先生は、治療に専念される傍ら、iNPHの啓発にも精力的に取り組んでいる。最近では2023年1月、一般の方に向けたiNPH専門の本も出版された。
「iNPHは過渡期に入ったと思います。医師国家試験にはiNPH関連の出題もされるようになり若い医師は詳しい方も増えてきています。潜在患者の掘り起こしも進んでくるでしょう。また、インターネットで調べてきた患者さんも増えてきましたし、症状からiNPHを疑い紹介を受けた患者の画像を撮ると典型的なiNPHの方が多くなりました。インターネットのおかげで徐々に浸透してきていると感じる一方で、一般の方向けのiNPH専門の本がなかったので、一人でも多くの患者さん、ご家族が、iNPHについて知り、より正しく理解し治療につなげていただけるように願いを込めて本を作りました。」
そう話す先生が出版された『よくわかるiNPH(特発性正常圧水頭症)』(発行元:株式会社法研)は、iNPHの症状、特徴、検査、診断、治療法などについて、いろいろなケースも交えながら解説された、その名の通りiNPHが“よくわかる”本である。iNPHについてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ手に取ってほしい一冊だ。
「iNPHの診療は超高齢社会において社会貢献の一役を担っていることを、そこで関わっている方々がみんな理解しています。我々のような医療従事者しかり、医療機器の会社、そして患者さんやご家族をケアするすべての方々の、iNPHの治療を適切にうけてもらいたいと願う気持ちが、私のモチベーションにもつながっています。」
先生はiNPHに携わる方の思いを背負い、目黒区や各地で行われている公開講座での講演や、全国で行われる学会で会長を務められたり、さらには2023年8月にドイツで開催される国際学会にも参加されるなど、日々の診療と並んで、末端から世界まで活躍の幅を広げている。
「疾患によっては脳神経外科のみで突き詰めていく治療もある中、iNPHは脳神経外科、神経内科、放射線科、認知症専門医と、多科にわたる連携を通じて治療につなげていくことはやりがいがあります。でもやはり一番は、iNPHは患者さんが良くなって生活の質が変わること。これは何ものにも代えがたい喜びです。」
iNPHの患者さんが治療を受けて改善し、その方らしい暮らしを手に入れることを願い活動を続ける先生、これからも国内外でiNPH診療の発展に力を注ぎ続ける。

国家公務員共済組合連合会 東京共済病院 脳神経外科部長 鮫島 直之 先生

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大池 涼 先生 名戸ヶ谷病院 脳神経外科 ささやかな日常の幸せを守るために大切なのは日常の些細な変化や違和感を見逃さないこと。そのお手伝いをさせてください。

関西医科大学 脳神経外科学 羽柴 哲夫 先生 手術するかどうかは医師と相談して決めれば良いこと。検査まではリスクもほとんどないので、受診・相談は遠慮せずしてください。

医療法人社団 山本・前田記念会 前田病院 脳神経外科 前田 達浩 先生 “歩けなかったらパーキンソン、記憶がなければアルツハイマー”と決めつけずに、iNPHの可能性を疑って欲しいです。

名倉 崇弘 先生 愛知医科大学病院 脳神経外科 “転倒”がiNPHの重要なサインです。転倒する回数が増えてきたら、病院を受診してください。

田中 達也 先生 国際医療福祉大学 成田病院 脳神経外科 歩行障害と認知症が同時に出たら一度は検査を受けて欲しいです。

山田 茂樹 先生 滋賀医科大学 脳神経外科学講座/洛和会音羽病院(非常勤) iNPHの患者さんは、それぞれにドラマがあります。

宮﨑 晃一 先生 大阪回生病院 脳神経外科 iNPHを知っていただくことが第一歩になる。特に2〜3週間で急に悪くなったと感じたら、iNPHを疑って欲しいです。

メディア掲載 iNPHについてメディアで掲載された情報をご紹介します。

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