iNPHという病気〜治療できる歩行障害・認知症・尿失禁があります〜 治療について 特発性正常圧水頭症の治療方法は?

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髄液シャント術

特発性正常圧水頭症(以下、iNPH)は、髄液の流れを良くする治療によって、症状が改善します。この手術を髄液シャント術といい、脳神経外科で施されます。髄液シャント術には主に3つの方法があり、iNPHの髄液シャント術においては、この3つの方法のうちどれでも目的を果たすことができます。

説明画像:髄液シャント術3つの方法【脳室‐腹腔シャント】【脳室‐心房シャント】【腰推‐腹腔シャント】

これら髄液シャント術は過剰に溜まった脳脊髄液を他の体腔へ流すことにより、障害されていた脳の機能を戻すことができます。このときに、歩行障害や認知症、尿失禁といったiNPHの症状が改善されるのです。中には、劇的に改善する患者さんもいらっしゃいます。

腰椎−腹腔シャント(L-Pシャント)の注目

説明画像:腰椎−腹腔シャント(L-Pシャント)最近のiNPH治療では、腰椎-腹腔シャント(L-Pシャント)が主流になりつつあり、幾多の研究によってL-Pシャントの有効性と安全性が検証されています。一番のメリットは、頭部を処置する必要がないということです。手技による頭蓋内出血のリスクがなく、頭部の剃毛の必要もありません。しかしながら腰椎の変形などが強い場合にはL-Pシャントを実施できないこともあります。L-Pシャントの手術手技も工夫が重ねられ、より患者様に負担の少ない手技が開発されています。加えて、L-Pシャントにおいても効果を発揮する髄液の過剰排除防止ディバイスの開発などシャントシステムならびにL-Pシャントでの治療は格段に進歩しています。

髄液シャント術:V-P(脳室-腹腔)シャント

説明画像:髄液シャント術:V-P(脳室-腹腔)シャントV-Pシャントの手術は、通常1時間前後で終わります。流れの悪くなった髄液通路の代替としてバイパスをつくって埋め込みます。患者さんは頭部を剃毛して全身麻酔下で、頭部から腹部まで皮膚消毒をします。頭蓋骨に小さな穴をあけて頭蓋骨と脳の間の膜を開き、脳室カテーテルを側脳室(左右に一つずつある側脳室のうち通常右側)に挿入します。皮下にシャントシステムを通すため頚部と側腹部に小切開を加えます。

バルブを所定の位置に挿入したあと、トンネル状の手術器具を使って耳の後ろ、首、胸の皮下に腹腔カテーテルを通しておきます。皮下に通したカテーテルと脳室カテーテルを接続します。過剰に溜まった脳脊髄液を常に吸収するための腹腔内(肝臓の下、ダクラス窩:女性では子宮と直腸の間、男性では膀胱と直腸の間)に腹腔カテーテル端を挿入します。その後は切開部位を縫合して、無菌包帯をします。

髄液シャント術後

術後の24時間は患者さんを十分な観察下におきます。頭部と腹部にガーゼを当てて、縫合部位を覆い、感染から患者さんを護ります。術後に脳室、クモ膜下腔の大きさの変化を診るために、CTスキャンあるいはMRIを行います。一般に患者さんは10日前後の入院を必要とします。退院後にも術後の状態と症状の改善をチェックするために医師が指示するように定期的に健診することが必要です。運動技能の回復を図るためにリハビリなどの補助療法を勧められることもあります。

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